1. 輸入花を入れる理由

  2. 海外から農協などの出荷団体を経て市場へ届く流れ

  3. ケニアのバラは大きく棘も少ない理由

  4. ケニアのバラが満開に咲かない理由

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1. 切花を海外から輸入する理由
多様な種類の花材の確保
日本国内で栽培されていない
または生産量が限られている
珍しい花材を入手するために、
海外からの輸入が行われます。

たとえば、熱帯地域でしか育たない
ランや南半球の植物、
特定の気候でしか育たないバラなどがあります。

例:

南アフリカのプロテア
エクアドルやケニアの高地で栽培された大輪のバラ
年間を通じた安定供給
花の需要は季節に左右されることが多く、
日本国内では特定の時期に供給が不足する場合があります。
そのため、花が豊富に栽培されている
海外から輸入することで、需要を満たします。

例:

冬の季節に国内で不足するスイートピーやチューリップを補うため、
オランダなどからの輸入が行われる。

高品質で低コストの生産
海外では広大な土地や適した気候条件を活用して、
大量かつ効率的に花を生産することが可能です。
その結果、コストパフォーマンスの高い花を提供できます。

例:

エクアドルやケニアのバラは、
標高が高く昼夜の温度差が大きい環境で育つため、
花びらが厚く色が鮮やかな高品質な花を低コストで生産可能。
グローバルなトレンドへの対応
ファッションやインテリアと同様、
輸入花のアレンジメントにもトレンドがあります。

特定の色や種類の花が流行すると、
国内で需要が急増しますが、
国内生産では対応しきれない場合があります。
そのため、海外からの輸入で需要を補います。

例:

北欧スタイルのフラワーデザインが流行した際に、
ユーカリやドライ系の花材が輸入される。

国際競争力の影響
日本国内の花卉生産者は減少傾向にあり、
一方で国際的な花卉市場では、
輸送や保管技術の向上により、
輸入花が手頃な価格で流通しています。
こうした市場環境に対応するため、
輸入が重要な役割を果たしています。

イベントや特定需要のための対応
母の日や結婚シーズン、
クリスマスなど、
特定のイベント期間中に
需要が急増する花材を補うために
輸入が行われます。

例:

母の日のカーネーション
クリスマス用のポインセチア

2. 海外から農協などの出荷団体を経て市場へ届く流れ
輸入花は、以下の流通経路を経て市場に届けられます

輸入業者: 海外の生産者から切花を購入し、
日本へ輸入します。
農協や出荷団体: 輸入業者から切花を受け取り、
品質管理や仕分けを行います。

卸売市場: 農協や出荷団体から供給された切花を販売します。

小売店やフラワーショップ: 卸売市場から仕入れた切花を消費者に提供します。

財務省の貿易統計によると、2023年の菊(切花)の輸入額は約164億円で、前年に比べて10.0%増加しています。

3. ケニアのバラは大きく棘も少ない理由

栽培環境が最適

ケニアはバラの生育にとって非常に理想的な自然条件を備えています。

高地の気候:
ケニアのバラ栽培は標高1500〜2500メートルの高地で行われることが多いです。

  • 日中の適度な暖かさが成長を促進する。

  • 夜間の涼しさで花びらが厚くなり、大輪に育つ

  • 強い紫外線が色を鮮やかにし、花の耐久性を高める。

 4.ケニアのバラが満開に咲かない理由


栽培環境による影響
ケニアのバラは、高地の気候条件と栽培方法によって、
ゆっくりと花を開く特性を持っています。
この特性は花の品質を保つために重要です。

高地の気候が花の開花を遅らせる:
ケニアでは、昼夜の温度差が大きい高地でバラが育てられます。
昼間の暖かさは成長を促しますが、
夜間の冷え込みが成長速度を抑制します。

これにより、バラはゆっくりと成長し、
長持ちする花を形成します。
温度差によるこの成長特性は、
満開になりにくい原因のひとつです。

品種特性の選択
ケニアで栽培されるバラは、
輸出向けに特化した品種が多く、
これらは「満開になりにくい」という特性を持っています。

満開を避ける品種改良:
満開になるバラは見た目には美しいですが、
日持ちが短くなります。

ケニアでは、輸送期間中や市場に届いた後でも
長く楽しめるように、
蕾が硬い状態から少しずつ咲く品種が選ばれます。

こうした品種は
輸出花向けバラ」としての評価が高く、
ヨーロッパやアジアで特に人気です。

輸送条件による影響
ケニアのバラは、
収穫後に長い輸送期間を経て各国に届けられます。
この輸送条件が、満開になりにくい理由のひとつです。

硬い蕾で収穫:
ケニアのバラは基本的に
硬い蕾の段階で収穫されます。

これは、輸送中に輸入花が開いてしまうことを防ぐためです。

日本に到着するまでの輸送時間が数日間あるため、
満開になる前の状態で出荷されます。

低温管理:
切花は輸送中に冷蔵状態で保存されます。

温度を5℃以下に保つことで、
花の開花を抑え、品質を保持します。

この低温管理により、
バラは満開になりにくく、
長く持つ状態を保ちます。

市場のニーズと輸出戦略
日本の市場では、満開のバラよりも
「少しずつ開花を楽しめる」
バラが好まれる場合があります。

このニーズに応えるため、
ケニアのバラは輸出段階で
満開を避ける状態に仕上げられます。

日持ちの長さ:
日本の高級バラは、満開で美しい状態を楽しむ特性がありますが、
その分日持ちが短くなる場合もあります。

一方、ケニアのバラは、
硬めの蕾からゆっくり開花するため、
購入後も長い間楽しむことができます。

消費者のライフスタイル:
日本では、贈答用やイベント用に
長持ちする蕾のバラ」が重宝される場合も多いです。

硬い蕾の状態で購入し、
家庭で少しずつ開花を楽しむことができます。

栽培から輸出までの工程管理
ケニアでは、生産から輸出までの各工程が
細かく管理されています。
特に輸出用のバラは、
満開にならず、
日持ちを重視する仕組みが整っています。

成長管理:
栽培段階で、栄養の管理や剪定によって、
蕾の状態で美しく仕上がるよう工夫されています。

輸出用のバラは、花の大きさ、形状、
色が均一であることが重視されるため、
満開に咲く特性は抑えられています。

まとめ:輸入花の魅力と可能性

輸入花の魅力を考えると、ケニアのバラに代表されるような特性は、その一例に過ぎません。
輸入花全体として、多様性や品質の高さ、安定した供給能力、そしてコストパフォーマンスの良さなど、多くの魅力があります。

輸入花の総合的な魅力

  • 種類の豊富さ: 国内では手に入りにくい花材が揃い、多様なデザインが可能になります。例えば、エクアドルの大輪バラや南アフリカのプロテアなど、ユニークな花材が新しいデザインを生み出します。

  • 品質の高さ: 栽培地ごとの特性を活かした花材は、鮮やかな色や丈夫さで国内外問わず人気を博します。

  • 安定した供給: 国内で不足する季節の花を補い、イベント需要や突発的な注文にも対応可能です。

  • トレンド対応: 国際的なフラワートレンドをいち早く取り入れることができます。

  • 価格の魅力: 大量生産や効率的な輸送技術により、コストを抑えた花材が提供されています。


ケニアのバラの特性と輸入花の位置づけ

ケニアのバラは、その特性として「大輪」「長持ち」「棘が少ない」という扱いやすさがあり、
特に贈答用やイベント装飾に最適な花材です。
一方で、日本の高級バラは満開の美しさを追求しており、
それぞれ異なる魅力と用途を持っています。

輸入花全体の特徴として、こうした「地域ごとの強み」があり、
それを知ることで市場のニーズに応える多彩な提案が可能になります。


フラワーコーディネーターとしての活用術

輸入花と国内生産の花材を組み合わせることで、
デザインの幅がさらに広がります。

たとえば、輸入花のユニークなフォルムや
色合いを活かしながら、
国内花材で季節感や和のテイストを演出することができます。

また、バラが咲くから良質という考え方ではなく
イベントなどでは大きく咲かないバラを
使うなど、用途に応じた考え方もしたいです。

市場の動向を理解し、
輸入花と国内花材の特性を
最大限に活かすことで、
フラワーデザインの
新しい可能性を切り開くことができるでしょう。


輸入花には、
私たちのデザインをより
多彩で洗練されたものにしてくれる
多くの可能性があります。

それぞれの花材の魅力を理解し、
適材適所で使い分けることで、
作品にさらなる魅力を加えましょう。
そして、輸入花の特性を活かした提案で、
お客様に新たな
感動を届けるフラワーデザインを目指していきましょう!

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