1. 初めての出会い

2. やすこ先生の功績と影響

3. 私との思い出

4. お別れ会の様子

5. 最後に

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1. 初めての出会い

私のお花の恩師、真子やすこ先生のお別れの会へ参加してきました。

お別れ会の向かえ花

今日はやすこ先生との出会いから
お別れ会の様子を書いていこうと思います。

以前も書きましたが、
私はその頃はやっていた
インテリアコーディネーターになりたくて、
それが叶うような就職先を探しましたが
どうも思い描いていたような
就職先を見つけることができませんでした。

この頃の就職は、バブル崩壊寸前。
高待遇でみなさん、
どんどんと就職先が決まっていきます。

内定すると、内定破棄されないように
グアム旅行にご招待されている人もいました。

しかし、入社の年にバブルが崩壊。
約束されていた給与やボーナスが
ガタガタと崩れたそうです。

そんな時に私は、
ネットなんてない時代でしたので、
どうしたものかと本屋さんで調べ物をしました。

すると、「空間デザイン」という言葉が目に入りました。
お花で空間を飾るのです。
ただ飾るのではなくウィンドウディスプレイなど、
吊り下げたり敷き詰めたりする。

そこで、「こんな仕事がしたい!!」
と思いついたのです。

見つけたのは町田デザイン&建築専門学校フラワー専科。

私が入学したのは2期生。
2期生と言っても、
入学が秋と春になっていて、
私は春入学のため
半年先輩の方とも同じ時間に学ぶこともありました。

町田デザイン&建築専門学校のインテリアコーディネーター科
空間デザインを学んで下校すると
今度はマナコフラワーアカデミー
へ行ってお花のレッスン。

そして、週3日は新宿の小田急フローリスト系列の
お花屋さんでアルバイト。
働きながら学ぶというもの。

このシステムを作ったのがやすこ先生。
この頃のやすこ先生は全盛期
言ってもいいくらいです。

海外を飛び回って、
日本国内も飛び回って活躍されていました。

オランダの働きながら学ぶという
お花の学校を視察されて、
とても感動されたそうなのです。

この話をされる時には、
やすこ先生はいつも涙目です。
(元々、涙もろい方です)

これが、やすこ先生との出会いです。

真子やすこ先生

2.やすこ先生の功績と影響。
「池坊」生花へ入門されて、熱心に通われていました。
そのうちに、
海外のフラワーデザインに触れることになって

1961年にマナコフラワーアカデミーを設立。

1971年には独自のミックスパターンを考案。
マナコのオリジナルとして「立華調フレッシュ」を紹介。
これは特許を取られています。

1990年には「国際花と緑の博覧会(花の万博)」に出展。
最優秀賞を受賞。

1992年にはシンガポール政府の依頼でデモンストレーション、
講習会を行う。

1995年にはフランスのベルサイユ宮殿で
デモンストレーション、セミナーを行う。

1998年には、各国のデザイナーを招き
大阪で「国際花の祭典」を開催。
パリでの花の活動に対し、
フランスのシラク大統領より
感謝状を贈られる。

1999年、中国・昆明の花博からの依頼により、
日本代表としてデモンストレーション。

2000年、ウルグアイでデモンストレーション、講習会。

2004年、ロシア・サンクトペテルブルグにて
セミナーとデモンストレーションを行う。

2005年、在日ロシア連邦大使館にて
ロシア・日本友好「新春の宴」を開催。

2006年、「アイルランド FLORAL DESIGN DROMANTAINE2006」に
日本代表として招かれ、
作品展示とデモンストレーションを行う。

2007年、アルジェリアにてデモンストレーションとワークショップ。

2009年、ロシアの花の協会主催の
フラワーショーに審査員として招かれ、
デモンストレーションを行う。

2011年、東京・目黒雅叙園にて
「マナコフラワーアカデミー50周年・
池坊東京武相会30周年記念展示会」。
これを機に学院長の任を真子るみ子先生に譲り、
会長に就任。

2012年、
いけばなインターナショナル京都支部、
福岡支部でデモンストレーション。

2013年、イギリス・ロンドンでの
「チェルシーフラワーショー」で
アレンジメント部門ゴールドメダルを受賞。

2014年、久留米信愛女学院にて花育指導。

2015年、神奈川県下の高校にて池坊の指導。
オランダ、クルシアカレッジで
デモンストレーションとワークショップ。

2019年、フランス農事功労章シュバリエ勲章受章。

2024年8月3日、永眠。

オランダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、アイルランド、アメリカ、メキシコ、カナダ、中国、タイ、シンガポール、ウルグアイ、ロシア、アルジェリアなど、世界48カ国をはじめ日本各地で花展、デモンストレーション、ワークショップを行い、花の普及に生涯を捧げられました

3. 私との思い出

やすこ先生は、私たち生徒をとても可愛がってくださいました。
特に、先生の夢だった専門学校に通っていた私たちは、
その愛情を強く感じました。

ずっと「朋ちゃん」と呼んばれ、
雑誌やTV出演に推薦していただいたり、
一緒に面白いTV撮影をしたこともありました。
長い時間を共に過ごし、学びました。

やすこ先生と一緒に、
いろいろな海外研修に行ったことも、
私にとって大切な思い出です。

特にパリでのショーでは、
私はフランス担当としてウエディングドレスを着て、
いろいろな国風のブーケやヘッドドレスを作り、
舞台に上がるという特別な経験をしました。

アナウンスで「フランス!」と言われて私が出ていくと、
一層大きな拍手があったそうです
(本人は舞台に集中していて気づきませんでしたが)。

この話を、先生は最後にお会いした時まで
ずっとお話しされていました。

どうやら、やすこ先生の中では、
私はこの時の年齢で止まっているようです。

また、私が子供を出産した時には、
パリのDiorで可愛い帽子を買ってきてくださいました。

保育園でその帽子をかぶっていた我が子の姿は、
今でも鮮明に覚えています。

そんな子供がもう大きくなったことを先生に伝えると、
目をくるくると回して驚かれていたのも、
微笑ましい思い出です。

そして、やすこ先生。
お写真の通り、
いつも華やかです。

衣装が一体どれくらいあるのでしょう?
いつも帽子をかぶられているので、
海外では「マダムシャポー」と呼ばれます。

お花を触られている時には、
もうそこにのめり込んでしまい、
周りが見えなくなるほど。

アレンジの前にゴミや水がこぼれていると、
この綺麗なお洋服の袖でサッと拭いたりしちゃうんです(笑)。

夜の11時まで私にレッスンしてくださったり、
花展では早朝から夜中まで私たちの作業があって
何度もクタクタになりました。

世界中、海外を飛び回って、
日本国内でもすごい忙しさだったので、
私たちも「疲れた」なんて言えませんでした。

あら?
このいつも衣装を着ていたり、
何かに没頭したり、
あちらこちら飛び回って。
できないとか疲れたとか言えないって」、笑・笑・笑、
これって、私のスーパーコンサルの貴子先生と同じ!!

 

貴子先生の衣装

 

そういうこと?私はそんな運命だったのかもしれません。

それで、

ご自宅兼アトリエは鶴川にあります。
やすこ先生はずっとこの服装で、
鶴川ではもちろん有名人です。

職業はわからなくても「あの人がいる!」と、
皆さんに認識されているはず。

だってこれで毎日小田急線に乗るのですよ?!

この頃、小田急からやすこ先生にフリーパスが
渡されているという噂を聞いたことがあります。

小田急と仲が良いから?なのか、
専門学校が先なのかはわかりませんが、
そんな繋がりで、
専門学校生のまだ何もできない私たちを
各地の小田急フローリスト系列の
お花屋さんが引き取ってくれていたようです。

心は子供のように無邪気で、
可愛くて、あちらこちらでお世話になっている男性は
みんなボーイフレンドと呼んで、
色々と助けてもらっていました。
男性たちも、頼まれると断れないらしいです。

これだけのマンモスアカデミーを
運営されているのですから、
もちろん勝ち気なところもあります。

海外だろうとどこだろうと、
思ったことは曲げません。
見ていてヒヤヒヤしますけれどね。

受付に、やすこ先生の衣装が飾られていました。

4. お別れ会の様子

今まで、お別れ会というものに参加したことはありませんでした。
お別れ会に参加するのは初めてのこと。

今年の1月に体調を崩されて、
お医者様に
「もうダメかもしれない」と言われたところから復活され、
生徒さんがたくさん集まる
4月の88歳の米寿とシュバリエ勲章叙勲のお祝いの席では
とても楽しそうにされていました。

しかし、その後再び体調を崩されて、
2024年8月3日に永眠されました。

やすこ先生が大好きだった
四谷スクールそばの
新宿御苑を望む会場にて、
お花いっぱいでお別れをしたいとの思いから、
お別れの会が執り行われることになりました。

場所は四谷区民ホール。
仲の良い先生に服装を聞くと、
普通の服で良い」とのこと。
なんなら、
本部の先生方はみんなでやすこ先生の服を着るらしい。
え?!お祭り?!と思いました。

当日、会場に入ってみると、
受付の先生が本当にやすこ先生の服を着ていて、
会場の中もやすこ先生がいっぱい(笑)。

一歩入ると、懐かしい先生方がいっぱい!
ゆっくりご挨拶はできませんでしたが、
まるで同窓会のようでした。

全国、海外からも数百人の
お花の先生が集合です。

お別れの言葉は、
町田デザイン&建築専門学校の理事長や
大田花き(花市場)の代表執行役、
東京堂の代表取締役、
池坊専好様(池坊の次期家元)など、
お花を通じてやすこ先生に縁のある方々から
いろいろなエピソードを交えて
貴重なお言葉をいただきました。

献花はアレンジメントを作っていきます。
中央のお花はやすこ先生のドレスとトリコロールをイメージしたそうです。
ペガサス、シンデレラの靴、久しぶりに見ました。教室にあると邪魔なのですよ。笑 奥はヴィーナス

 

5. 最後に

現在のアカデミーの学院長は、るみ子先生。

私には「るみちゃん」の呼び方が抜けません。
一緒に海外研修に行ったり、
若い頃に随分と楽しませていただきました。

まさか、やすこ先生の次男と結婚して学院長になる
未来があるなんて思いもよりませんでした。

しかし、やすこ先生と同じように海外を飛び回って、
花に人生を賭ける姿は彼女にぴったりです。
これからも頑張ってください!

最後に、私が思った通りの仕事をできたのは、
やすこ先生のおかげです。

世界のいろいろなものを見て学んで、
夜中でも早朝でも関係なく仕事をしてこられた。

そして、たくさんの花仲間がいます。

こんな人生をいただき、
ありがとうございました。
今頃、天国にあるという花畑で大喜びして
お花を抱えていることでしょう。

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