私は、池坊の師範免許も持っています。
クリエイトなものは、なんでも同じですが
ここで終わりというものはなく、一生お勉強です。
しかし華道、道のつくものはお勉強というより修行です。
たった3本で表現したり、
大工仕事のようなことをしたりと
心の鍛錬のような気さえします。
今日は、
池坊の歴史から海外での影響、生花を学ぶ意義、
そして現在のトレンドに至るまで、
花が織りなす文化とその美しさについて、
それから、フラワーアレンジメントを
作る時の生花との関係などを
軽やかな気持ちでお話ししましょう。
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1. 池坊の歴史
2. 生花が海外に与える影響
・アメリカ
・フランス
・イギリス
・ドイツ
3. フラワーアレンジメントを学ぶ意義
4.生花の現在のトレンド
5.フラワーアレンジメントと池坊生花を学ぶ魅力
6.生花の哲学とは
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1. 池坊の歴史
生け花(いけばな)の始まりは、
日本特有の文化として、
仏教が日本に伝わった奈良時代(710年 – 794年)に遡ります。
仏教の伝来とともに、仏前に花を供える習慣が始まったことが、
生け花の起源とされています。
この時、花は単に美しい装飾としてではなく、
仏への供物としての意味を持ち、
仏教の儀式や祭事において重要な役割を果たしました。
池坊(いけばな)は、
日本の伝統的な生け花(いけばな)の流派の一つで、
その歴史は非常に古く、発祥は室町時代にまで遡ります。
池坊の起源は、京都の六角堂(頂法寺)に住んでいた僧侶、
池坊専慶(いけのぼう せんけい)に関連しています。
専慶は花を愛し、
寺の池のほとりで美しく花を生ける技術を磨きました。
彼の花の生け方は、
「生け花」として人々に広まり、
やがて「池坊」という名で知られるようになりました。
単なる花を生ける技術を超え、
日本の美意識、哲学、
そして文化そのものを映し出しています。
私たちが今、花を生ける際に大切にしている
「空間の美」を追求する姿勢は、
何世紀にもわたって受け継がれてきた池坊独自の哲学です。
この流派が持つ静寂と動のバランスは、
現代においても多くの人々に心の安らぎを提供し続けています。
2. 生花が海外に与える影響
アメリカ
アメリカでは、池坊の精神が「ミニマリズム」という形で受け入れられています。ニューヨークの高級アパートメントからサンフランシスコのモダンなオフィスまで、池坊生花の哲学が空間の美を引き立てる要素として尊重されています。
イギリス
イギリスでは、特にロンドンのアートシーンで池坊が注目されています。伝統とモダニティが混在する街、ロンドンで池坊は、過去と現在をつなぐ架け橋のような役割を果たしているのです。
フランス
花の都パリでは、池坊生花が「生きたアート」として評価されています。パリジャンは、花を通じて自己表現することの美しさに、日本の生花の精神性を見出しています。
ドイツ
ドイツでは、特にサステナビリティと自然との共生という観点から池坊生花が注目されています。ベルリンのグリーンスペースや公共施設では、自然を尊重する池坊の哲学が生かされています。
3. フラワーアレンジメントを学ぶ意義
フラワーアレンジメントを学ぶことは、単に花を美しく飾る技術を身につけること以上の意味を持ちます。それは、生きている花と対話し、その花が持つ生命力や美を最大限に引き出す哲学を学ぶこと。そして、池坊生花を同時に学ぶことで、その哲学がより深く心に響き、私たちの生活に根ざした美の追求へとつながっていきます。
やはり、生花を理解することで
何用も空間の活かし方が上手になると思います。
左右のデザインは、みなさん上手にできますが、
奥行きを出す。
このことが、自然にできるようになると
デザインの幅が広がるのです。
例えば、先日の私の制作動画です。
普通は1,2,3とアウトラインに合わせて
花を並べていきますよね。
良かったら、私が冒頭で
トウコ桔梗を指している姿を見てください。
角度、サイズと同じように刺せば、
もちろんできますが
自分でやろうと思った時に
規則性が見つからないと思います。
空間と、奥行きを自然に自在にできるとは
こんなことです。
。。。とはいえ、規則性がないゆえに
2年に1度ぐらい失敗して
やり直すこともあります。 笑
4.生花の現在のトレンド
今、池坊生花の世界では、
伝統的な技法に現代的な解釈を加える動きが見られます。
これは、古典的な美しさを守りつつも、
新しい時代の感性や生活様式に合わせた
アプローチを取り入れる試みです。
例えば、従来の生花の枠を超えて、
現代の生活様式を意識する。
すると、自由花などはオアシス(吸水性スポンジ)
を使うこともあって、
一見、フラワーアレンジと区別がつかない
ようなこともありますが
その中でも、生花の要素を入れるのです。
難しいです〜。
5.フラワーアレンジメントと池坊生花を学ぶ魅力
池坊生花を学ぶことは、
ただ花を生ける技術を学ぶこと以上の
深い意味があります。
それは、自然との対話を通じて、
生命の尊さや季節の移り変わりを肌で感じることができるからです。
フラワーアレンジメントを習いながら
池坊生花も学ぶことで、
花一つ一つに込められたメッセージを読み解き、
それを自分なりの表現で
作品に昇華させることができるようになります。
私たちが目指すべきは、花を通じて心に寄り添うこと。
生花を学ぶことで、
私たちは日々の生活の中で自然とともにある喜びを見出し、
豊かな心を育むことができます。
そして、その心地よさを人々と分かち合うことで、
私たちの周りの世界も少しずつ美しく変わっていくのです。
このブログを通じて、もし少しでも池坊生花やフラワーアレンジメントに興味を持っていただけたなら幸いです。
花という小さな宇宙には、無限の可能性と、
心を豊かにする力が秘められています。
皆さんも、この素晴らしい世界に一歩踏み出してみませんか?
自由が丘で、花のある豊かな生活を提案し続ける私からの、
心からの提案です。
とはいえ、今からフラワーアレンジメントと
生花両方を習得するのは全く容易ではありません。
ですので、今年はちょっと体験的に
1DAY生花レッスンを開いて
生花の魅力を体験していただく
機会を作ることを考えています。
花とともに、毎日をもっと色鮮やかに、もっと心地よく。
6.生花の哲学とは
生花の哲学は、単に花を美しく生ける技術を超えた、
深い精神性と文化的背景を持ちます。
これは、特に日本の伝統的な生花の流派、
例えば池坊や草月流などで顕著に表れています。
この哲学の核心にあるのは、自然との調和、
季節の移り変わりへの敬意、そして「生ける」という行為を通じた内面の静寂と対話です。
自然との調和
生花の哲学において、
自然は単なる装飾の材料ではなく、
生命を共有するパートナーとして尊重されます。
花や植物、枝などの素材を生ける際には、
それぞれが持つ自然な形や傾向を大切にし、
人工的に過度に変形させることなく、
その美しさを最大限に引き出すことが重要視されます。
季節への敬意
日本の生花は季節の移り変わりと密接に関連しています。
各季節に特有の花や植物を用いることで、
季節の美しさ、儚さ、そして自然のサイクルへの敬意を表現します。
この実践は、生花を通じて人々が自然のリズムに同調し、
季節の変化をより深く感じ取ることを可能にします。
内面との対話
生花を生ける行為は、
単なる外側の美を追求することではなく、
生ける人の内面との対話でもあります。
花を生ける過程では、静寂の中で自分自身と向き合い、
内面から湧き上がる感情や美意識を形にします。
このプロセスは、精神性の高い瞑想的な行為とも言え、
生ける人の精神的な成長にも寄与します。
まとめ
生花の哲学は、花を通じて自然と調和し、
季節を感じ、自己と対話することによって、
生活に豊かさと美をもたらすことです。
この哲学は、単に美しい花を生けること以上の価値を持ち、
生ける人の心を豊かにし、
見る人に深い感動を与えます。
それは、自然と人との関わりの中で、
生命の尊さと美しさを再認識することに他なりません。